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一人の男がいた

武生東高校吹奏楽部の定期演奏会に行ってきた。ここは実力高で全日本大会も常連でTVでも取り上げられたと聞いていて一度聞いてみたかった。私は武生高校の出身で近年演奏を聴いているがずいぶんとうまくなったものだと感心していた。
 演奏が始まる、普通のブラスが取り上げるシンフォニックステージの第1部。音は一応まとまっている、しかしなんだこんなものか、との思いもしてくる。心の奥底では武生東がなんだとの気持ちもあったのだろう。さめた気持ちで1部終了。
 2部はアンザンブル。サックス4重奏と金管重奏。驚いた、テクニックと演奏曲目。演奏したものはまったく知らない現代風のもの。高校生がこの音楽を演奏して楽しいと感じるものなのかそして高度なテクニック。少し見方が変わった。
 3部は客演との合同演奏。トランペットで23歳で初の女性ジャズトランペッターとして昨年デビューしたなんとか「ひかり」とトランペット製作ではGODと呼ばれている男。
 ひかりの演奏が始まる。柔らかな音色とさすがプロと言わしめる情感、これを聴いただけでも今日来た甲斐があったと思わせてくれた。GODはまったく異なる鋭い音色でトランペットでこんなハイトーンが出るのかと驚嘆!!このプロの演奏の途中で時々高校生もソロを受け持っていく、吹奏楽ではなくフルバンドに変身していた。指揮者の男は溶け込むようにスウィングしている。なんだこれは普通の高校の吹奏楽ではないことに気がついた。
 最後の曲は演奏しながらステージから客席へと踊り、歌い動きまくって1大エンターテインメントのショーと化した。文化ホール全体が楽しんだ素晴らしい演奏だ。
 男は新しくできたこの高校に国語の教師として赴任。24人で吹奏楽を始めた、それから18年まったく新しい形の吹奏楽部となった。自身はファンクと呼ばれる分野のバンドを持って活動している。一応国語の教師として授業もし吹奏楽部員に音楽の楽しさを教え続けてきた。
 そして今日が最後、4月からは新しい赴任先へ向かう。開会の挨拶で校長が転勤の話と最後に「東高吹奏学部は不滅です」と言ったが間違いなく衰退するだろう。この男がいてスウィングできたのだから。
by kakabura | 2006-03-27 06:09 | 生活
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2羽のアゲハは何をしているのでしょう。
by kakabura
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